「充分湿らせたな?」
 おもちゃを口から引っ張り出されると、そのはずみでまた吐き気がこみ上げてきて涙がぽたりと絨毯の上にこぼれた。
 僕はあまりのことに呆然としていた。だから、先生がしようとしてることに気づかなかった。口に入ってたものをいきなり、別の場所に突き立てられて、僕は自分でもぎょっとするような金切り声で叫んでしまった。強引に掘り返されて、身体の中に潜り込まされる。さっきのあれがあそこに入ってるなんて! やだ、こんなのしたくない、あんな物凄いもの押し込まれたら僕は壊れちゃうよ…
「やっ……あ、いや、痛い…あーっ!」
「すぐに良くなるよ、安心しなさい」
 泣き叫んでいる僕を先生は猫なで声でなだめながら、なおも僕のちっちゃい隙間に杭を打ち込み続けた。絨毯の上に僕の涙のしずくがぽたぽた落ちる。ぐいぐい押し込まれると死ぬほど気持ち悪くなってくる、口から内臓が出てきちゃいそう、息が苦しい…
「やだ、やめて、お願い……おねがいです、ゆるして…先生」
「何をそんなに怖がってるんだ、ヴァージンじゃあるまいし。ほら、見せてあげたいね、すごく欲しそうにひくひくしているよ……自分から、くわえ込んでるじゃないか。相変わらず、いやらしい子だ」
 犬みたいな格好をさせられてるから、あそこが全部丸見えだ。頬が熱くなってしまう。僕にいろんなやらしいことを言って、恥ずかしがらせて反応を確かめるのが先生は大好きなんだ。
「さあ、良くしてあげようね…」
 反吐が出そうなつくり声であの人はささやいて、エッチなおもちゃのスイッチを入れて動かした。途端に、僕の中に入りこんだそれが不気味な振動を始めた。未知の感覚に僕の喉と身体とは思いっきり拒絶を示し、だらしのない鳴き声を垂れ流して鳥肌を立てた。だけど、次第にあそこにじんわりした奇妙な感じが拡がってくる。何かが這い込んでくるみたいなすっごく気持ちの悪い、でも、その気持ちの悪さがだんだん、変な快感になってく、そして……
「お前はやっぱり、どうしようもない色狂いだな。何だ、さっきまでびーびー泣いてたくせにこんなに硬くして、腰なんか振りやがって…ふん、子供のくせに、コレだけは立派に一人前なんだな。お前がどうやってあの正義漢のご友人をだまくらかしたんだか、聞こうじゃないか、え?」
 先生は喘いでいる僕の頬を両手ではさんで、血走った両目に僕を映した。
「どう言ったんだ。キミに抱かれたい、挿れて、いかせてって頼んだのか。真田君のはどうだった、あの子のナニはお前のいやらしいココのお気に召したか?」
「いやッ、しらない、しらないよ!」