「え? ここで終わり!? うそ、いいところで……」
 またもやこっそりノートを読んでいた赤也は拍子抜けした。しかし、自分の好きなロープレっぽい展開になってきたので嬉しくなりながら、またこそこそとノートを蓮司のかばんに戻した。
「今回はエロい話がなかったなあ。ちょっち残念」

「なにが残念だって……?」 「うわ、柳せんぱい…あ、あの、えっと、こないだの小説、あれ、続きが読みたいなーって…まだ書いてないの?」
「ああ、あれ。あれはね、本にすることになった。ウェブに連載してたんだけど、まとめて同人誌にするから、読みたければ買え」
「え! どーじんし? そしたら、なんかオタクの集まりみたいなので売るの? 聞いたことあるッス、盆と年末にやるんでしょ?」
「……いや、お前には個人的に売ってやろう。ああいう場所には来るな、可愛い後輩をあの世界の色に染めるのは俺としても忍びない…」
 蓮司は首を横に振りながら答え、着替え始めたが赤也は内心大喜びだった。
(わーい、エロい話の本いっぱい買っちゃうぞ!)