そういうわけで、我々はディズニーランドに到着しました。
 入場券を購入して門を通り抜けるとさっそく、例の有名なネズミの方がおられました。あの方もお忙しいのに朝から大変ですね。毎日、あのように幼児に囲まれて愛想を振りまいておられるのでしょうか。私にはとても、できないことです。感心します。
 幸村くんと丸井くんは、ネズミの方を見つけると同時に黄色い声を上げて駆け寄って行かれました。その勢いに私は少なからず驚き、おふたりの保護者の方はどうされるのか、心配になりましたが、真田くんも桑原くんも特に何とも思っていないふうに肩をすくめているだけでしたので、そのことにも感心しました。おふたりはそのうち、ぴょんぴょん飛び跳ねながら「写真とって、とって!」と叫び出し、真田くんがあたふたしていたので桑原くんが両方のカメラを渡されて撮りました。相変わらず、お休みの日にもよく働く方です。真田くんは、ネズミの方を御存知ないようでした…。相変わらず、なんというか、ナニな方です。
 切原くんは、うらやましそうにその様子をご覧になっていましたので、「遠慮しなくてもよろしいんですよ。あなたも、撮っていただいたらいかがです?」と私は申しました。すると、彼は頬を赤らめながら非常に不服そうな顔になって、
「いいッス、ネズミにはべつに、キョーミないッスから」
と言いました。彼のそういう片意地を張った様子が、柳くんには大層愛らしく見えるのでしょう。柳くんが「なら、俺たちふたりで一緒に撮ってもらおう」とおっしゃいましたので、私が花壇の前で撮って差し上げました。お兄さんと弟さんのようで、まことに微笑ましいことです。こんなふうに言うとまた切原くんがご機嫌を損ねてしまいますけどね!
 さてさて。先程から仁王くんの姿が見えないようですが、何を企んでいるんでしょうかね、今日は? せいぜい期待しながらお待ちするとしましょう。